研究課題/領域番号 |
20592228
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
中西 正 徳島大学, 病院, 講師 (00217770)
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研究分担者 |
湯本 浩通 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (60284303)
細川 義隆 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (90346601)
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キーワード | カテキン / 歯髄炎 / 歯髄細胞 / ケモカイン / 抗炎症作用 |
研究概要 |
本研究では、カテキンを歯髄炎病変部に応用する歯髄保存療法の開発を目的とし、これまでにカテキンが歯髄細胞におけるサイトカイン産生やシグナル伝達物質のリン酸化を抑制することを明らかにしてきた。今回、カテキンの歯髄細胞に対する作用が、カテキンのレセプターとして確認されている67-kDラミニンレセプターを介した反応であるか否かを確かめるため、歯髄細胞におけるレセプター発現の有無ならびにその発現誘導について検討した。さらに、リンパ球浸潤に関与するケモカインであり歯髄炎の病態形成に重要な役割を担っている可能性があるCXCL10に着目し、歯髄細胞におけるCXCL10産生に対しカテキンが抑制効果を発揮するか否かについて検討した。 まず、ヒト培養歯髄細胞における67-kDラミニンレセプターの発現をウエスタンブロット法ならびにフローサイトメトリーを用いて解析したところ、その発現は認められなかった。さらに、Toll-like receptor (TLR)リガンドであるリポポリサッカライド(LPS)やPam3CSK4にて刺激したときの67-kDラミニンレセプター発現を検討したが、その発現は誘導されなかった。 また、LPSならびにPam3CSK4刺激した歯髄細胞において誘導されたCXCL10発現に対するカテキン(エピガロカテキン3ガレート(EGCG)およびエピカテキンガレート(ECG))の影響について検討したところ、カテキン濃度依存的にCXCL10発現は有意に減少した。 これらの結果より、カテキンは歯髄細胞におけるCXCL10産生を抑制することが示されたが、その作用経路は67-kDラミニンレセプター非依存的であった。すなわち、歯髄細胞の活性化反応に対するカテキンの抑制作用は、他の経路により効果が発揮されていることが示唆された。
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