研究概要 |
1998年(2-step self-etchとtotal-etch)と2005年(2種の1-step self-etchおよびハイブリッドとフロアブルレジン)に開始した歯頸部コンポジットレジン修復に関するランダム化比較試験を継続しながら、8年間の臨床成績を国際学会(IADR,#1783,Toronto,2009)で、最新1-step self-etchシステムの臨床成績(現時点では最長の2年間)を論文に発表した(J Dent,37,149-155,2009)。さらに、コンポジットレジン、メタルインレー、クラウンの後ろ向き調査データの分析を行い、臨床成績に及ぼす各種要因の影響を明らかにした。 1998年から開始した再修復の理由となる二次う蝕、辺縁着色、辺縁破折ならびにう蝕のモニタリングを継続しながら、蓄積されたデータを整理し、生涯学習効果判定用資料を作成した。また、成果の一部を国際シンポジウム(東京医科歯科大学G-COE 1st International Symposium“Strategies to create the super tooth")および接着歯学会シンポジウム(修復物の接着性の劣化と長期予後成績)で発表した。 長崎大学歯学部同窓会執行部に研究目的、方法および得られた成果等に関する説明を行い、研究協力の快諾を得、同窓会会長による会員各位に宛てた文書「学術研究のアンケート協力のお願い」を取得した。一方、共同研究者とアンケート調査内容、実施方法、解析方法に関して綿密な協議を行った。アンケート調査では、再治療の意思決定に係わる要因を明らかにするため、臨床的問題点ごとに重要度、重症度、緊急度の程度に応じて3〜4段階に分類した症例写真を提示するよう工夫し、予備調査を行って修正を加え、完成させた。また、次年度早々に層化(卒業年次)無作為抽出した調査対象にアンケート用紙を送付、回収する準備も完了した。さらに、国際シンポジウムで知己を得た研究者が興味を示した好機をとらえ、グローバルな調査への端緒をつけた。
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