研究概要 |
実験1. 骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1)に対するEMDの細胞増殖に対する影響: 【材料と方法】MC3T3-E1を10%FBS添加α-minimum essential medium (α-MEM)培地に懸濁し,培養プレートに播種した。培養24時間後,EMD,骨芽細胞分化試薬単独,もしく併用したα-MEM培地で培養3日もしくは7日目に,MTT試薬を添加したα-MEM培地に交換し,1-2時間後に還元され生成された不溶性ホルマザンをDMSOで溶解後、生細胞数を算出した。【結果】EMD添加後に培養した両細胞群は対象群と比べて、高濃度のEMD添加で細胞増殖を抑制した。 実験2. MC3T3-E1細胞に対するEMDの石灰化に対する影響: 【材料と方法】MC3T3-E1細胞を10%FBS添加α-MEM培地に懸濁し、培養プレートに播種した。培養24時間後,EMD,骨芽細胞分化試薬単独,もしく併用したα-MEM培地で培養し,3日もしくは7日目にAlizarin Red S試薬にて染色した。【結果】EMD単独ではAlizarin Red S試薬による染色を認めなかった。一方,骨芽細胞分化試薬単独に比べEMDを併用した場合に,石灰化はEMDの濃度依存的に増強された。 実験3. HPC細胞に対するEMDの石灰化に対する影響: 【材料と方法】HPC細胞を10%FBS添加α-MEM培地に懸濁し、培養プレートに播種した。培養24時間後,EMD, mineral trioxide aggregate (MTA)単独,もしく併用したα-MEM培地で7日間培養後,MC3T3-E1細胞と同様にAlizarin Red S試薬にて染色した。【結果】EMD単独では石灰化を認めなかった。一方,MTA単独で石灰化を認めたが,EMDを併用した場合には増強作用は認められなかった。
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