研究課題/領域番号 |
20592258
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
富塚 健 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (80251297)
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研究分担者 |
茂呂 徹 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (20302698)
魚島 勝美 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50213400)
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キーワード | デンタルインプラント / MPCポリマー / 歯肉貫通部 |
研究概要 |
極めて高い生体適合性を有するため、様々な医療用デバイスの表面にコーティングされているMPCポリマーをデンタルインプラントと表面に適用し、インプラント関連の手術方注の簡便化、および人工材料が生体表面を貫通する領域における外来刺激対する防御機構の向上を図ることを目的に実験を行った。 本年度はこれまでの実験により決定された細胞接着阻害効果を発揮するMPCポリマーの共重合体の種類、濃度において、ラットを用いた動物実験を行った。まず、作製したチタン合金製インプラント(最小直径1.0mm、テーパー1/20、長径2.0mm)にPMBタイプのMPCポリマーをコーティングし、ラット上顎M1抜歯後の顎骨に完全に埋入して周囲骨組織との反応を検討した。その結果、表面にコーティングを施さないインプラント体に比べてコーティング処理したのでは、インプラント体表面における骨の接着率がある程度減少しているこがうかがれた。これにより臨床で行われる2回法インプラントにおいて、1次手術時にフィクスチャーのネジ孔に装着する専用スクリューにMPCポリマーをコーティングすることによって、2次手術までの間にスクリュー上部へ骨が形成されることを防止し得ることが判明した。このことはスクリュー撤去時に被覆した骨を周囲への侵襲を最小限にして除去する煩雑さを解消することに繋がる。ただし、コーティングしたポリマーのチタン表面への接着強度についてはとくに臨床的観点から再検討を要すると思われた。また、インプラント体またはアバットメントの歯肉貫通部において、ポリマーをコーティングした材料表面に対する歯肉上皮の反応についてはさらに検討が必要である。
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