研究分担者 |
西川 悟郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (00172635)
入江 正郎 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90105594)
鈴木 一臣 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30050058)
皆木 省吾 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80190693)
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研究概要 |
部分安定化ジルコニアはその表面に生じたマイクロクラックに対して,結晶構造が正方晶から単斜晶へのマルテンサイト型相変態を生じることによって応力を低下させ,クラックの進農を防止する応力誘起相転移機構を有している.被着面の機械的処理や装着後の咬合力などによってジルコニアコーピング表面に生じたマルテンサイト型相変態がレジンセメントとの接着強さにどのような影響を与えるかについて検討を加えることはジルコニアを使用した補綴処置の治療予後について重要な情報を与えるものである.そこで,本研究課題は部分安定化ジルコニア表面にマルテンサイト型相変態を固有する合成被膜をパルスレーザー・アブレーション法を用いて形成し,マルテンサイト型相変態がレジンセメントとの接着強さに対して及ぼす影響について検討を加えることを目的とした. ジルコニアには#320の耐水研磨紙で研磨したイットリア部分安定化ジルコニア(ZirCAD, lvoclar Vivadent)を用いた.表面処理には5秒間のアルミナ(50μm)によるサンドブラスト処理(0.4Mpa, Hi-BlasterIII,松風),60秒間のレーザー照射(ジーシーナノレーザーGL-II,GC),レーザー照射後サンドブラスト処理および無処理の4種類を設定した.なお,レーザーの照射モードはノーマル発振の連続照射とし,出力は6,7,8,9および10Wとした.各処理後のジルコニア表面をSEMによる形態学的観察を行った結果,サンドブラスト処理あるいはGO_2レーザー処理によってジルコニア表面には異なる様相が観察され,CO_2レーザー処理ではその深度も深かった.接着性レジンセメントとの接着強さを計測した結果,CO_2レーザー処理後の剪断接着強さま,サンドブラスト処理に比べていずれの出力についても有意差を示さないものの,8W以上ではサンドブラスト処理に比べて大きな値を示した.
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