研究分担者 |
窪木 拓男 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
松香 芳三 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90243477)
完山 学 岡山大学, 大学病院, 講師 (90294420)
山崎 聖也 岡山大学, 大学病院, 医員 (40444666)
|
研究概要 |
前年度の単変量解析を用いた生存分析では,年齢以外の交絡因子を加味できていなかったため,本年度ではまず,加齢が本当にインプラント体生存に影響を与えるかを明らかにするため,リコール患者を対象に多変量解析を用いた全数調査を行った. さらに,口腔インプラント治療を受けた介護高齢者の問題点を抽出する前提として,健康な高齢者がインプラント義歯を含めた欠損補綴治療に対し,どのような疑問を持っていて,どのような困りごとを抱えているかアンケート調査を行った <方法> ・ 過去17年間の全リコール患者393名を対象に,年齢を含めたインプラント体生存に影響を及ぼすと思われる要因を予測因子とした多変量解析(一般化推定方程式:Generalized Estimating Equation)を行った. ・ 岡山県老人クラブ連合会主催の女性リーダー研修会と健康づくり介護予防リーダー養成講習会の参加者48名(非患者群;平均年齢:74.3歳,男/女/未記載:9/37/2名)ならびに岡山大学病院に受診中の患者77名(患者群;平均年齢61.8歳,男/女/未記載:14/61/2名)を対象に,QOLアンケートならびに欠損補綴治療に関する記述式アンケート調査を行った. <結果> ・ 「喫煙」と「可撤式インプラント義歯」がインプラント体生存のリスク因子として同定されが,年齢はリスク因子ではなかった. ・ 非患者群の欠損歯数(平均欠損歯数:11.6本)の方が患者群(平均欠損歯数:9.1本)に比べ多かった. ・ 非患者群の口腔関連QOL得点(平均得点:47.5点)は,患者群(平均得点:44.5点)に比べ高かった. ・ 岡山大学病院における患者群のほうが非患者群に比べ「補綴治療に関する疑問」,「口腔内の困り事」を間う記述式質問に多く回答していた. ・ 非患者群で口腔インプラント治療を受けている高齢者は6名(12.5%)であった. 今後は,要介護高齢者に対し,在宅,施設訪問によるアンケート調査を行い,高齢インプラント患者の問題点を明確にし,その対応策に関しても模索していく予定である.
|