研究分担者 |
窪木 拓男 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
園山 亘 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40325121)
完山 学 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90294420)
山崎 聖也 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (40444666)
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研究概要 |
1.ヒト細胞に対する遺伝子改変BMPの効果の比較 ヒトを含む大型動物での必要量を減らすため,我々は遺伝子改変により組織停滞性を高めたBMPをすでに開発している.本実験では,生体への移植実験に先立ち,この遺伝子改変BMPのヒト細胞の増殖と石灰化に対する効果を,培養細胞レベルで野生型BMPと比較検討した,培養細胞は市販のヒトの骨髄間葉系細胞を用いた. その結果,野生型と遺伝子改変BMP間で,細胞増殖に与える影響に差は認められず,BMPを添加していないコントロールと比較しても有意な差はなかった.また,石灰化ノジュールの形成は,野生型と遺伝子改変BMPにより同程度に促進された.すなわち,遺伝子改変BMPは野生型と比較してin vitroではヒト細胞に対して同程度の活性を有していることが確認された. 2,イヌ顎骨における骨再生効果の検討モデルの構築 大型動物の顎骨再生に与える影響を検討するモデルを構築するため,ビーグル犬を用いて検討を行った.具体的には,ビーグル犬3頭の下顎臼歯を抜歯し,3か月の治癒期間の後,あらためて骨欠損を作製した,野生型BMPをキャリア候補のベータ型リン酸三カルシウムやアテロコラーゲンと混和し,本骨欠損に充填,4週目にサンプリングを行い,組織学的・骨形態学的に評価した. その結果,BMPによる明らかな骨再生促進は確認できなかった.差を認めなかった要因として,本実験における観察期間(4週),用いたBMPの種類と量(野生型を30μg),キャリアとの組み合わせなどを考えている.今後はこの点を改良し,モデルを構築したうえで,遺伝子改変の骨形成効果を明らかにする.
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