研究概要 |
1. 大腸菌由来BMP-2によるインプラント体周囲の骨再生の検討 大腸菌由来BMP-2を用いてインプラント体周囲への骨再生が可能かをラット背部皮下での異所性骨再生モデルで検討した.濃度は,0,1,5,10ug/ulのBMP-2水溶液を調整し,インプラント体を3分間浸漬したうえで移植した.移植から,2・3週間後にレントゲンで骨形成状態を確認したところ,5,10ug/ulのBMP-2溶液を用いたものでは明らかな骨形成が確認された.3週後に,インプラント体を回収し,非脱灰切片を作成し顕微鏡的に評価したところ,インプラント体と骨の直接的な接触が得られていることが確認された. 2. 大腸菌由来BMP-2を骨補填材と併用した際の骨再生の検討 大腸菌由来BMP-2と骨補填材とを併用した際の骨再生をラット背部皮下での異所性骨再生モデルで検討した.骨補填材は炭酸機含有アパタイトとβTCPを用いた.事前に両骨補填材の吸水量を検討し,一移植体当たり0,1.25,2.5,12.5,25,125ugのBMP-2を含有するように調整した上で移植した.レントゲン的に骨形成を確認したうえで,移植から3週後に移植体を回収し,組織学的に評価した.その結果,12.5,25,125ugのBMP-2を用いた群では両方の骨補填材を用いた群で明らかな骨新生を認めた.0.25,2.5ugでは3週の時点では骨形成は認めなかった.また,高濃度のBMP-2を用いた場合,移植体のボリュームは約10倍以上となるが,その中心部には赤血球を主体とする血液が停滞している部分が広く認められることが確認できた.
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