研究概要 |
本研究は,メディカル・デンタルデバイス洗浄法および誤嚥性肺炎予防のための義歯,口腔,支台歯への微生物付着(とくにカンジダ)制御法を開発することを目的として,糖アルコールの一種である「エリスリトール」と殺菌剤を組み合わせた新しく安全な義歯洗浄剤を検討することである。 まず、本年では、in vitroの実験で、カンジダアルビカンス臨床株を用いてカンジダバイオフィルムの作製法と殺菌効果判定法の検討を行った。酵母主体カンジダバイオフィルム作成のためにBHI培地+タイプIコラーゲンcelldeskを、菌糸主体カンジダバイオフィルム作成のためのYNBNP培地+10%FBS+タイプIコラーゲンcelldeskを用い、カンジダ数をOD、スパイラルシステム、SEMによるカウントの方法を確立した。また、ハイドロキシアパタイト上でのカンジダアルビカンスのバイオフィルム形成状態を観察した。予定であったATP活性による方法は、研究器材の購入に問題があったため断念した。殺菌剤はBTC(塩化ベンゼトニウム)を使い、この方法で効果の再確認をし、論文を投稿した。 エリスリトール配合殺菌剤の生体での効果検討の予備実験として、ポケット洗浄効果をRandomized Control Trialで、A群エリスリトール含有試験BTC剤とBTC剤のみの2群をdouble blindで調べ、その洗浄効果を歯周病関連細菌数をPCR法によって調査した。その結果、その差はわずかで、実験計画の再検討が示唆された。
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