| 研究概要 |
メディカル・デンタルデバイス洗浄法および誤嚥性肺炎予防のための義歯,口腔,支台歯への微生物付着(とくにカンジダ)髄御法を開発することを目的として,糖アルコールの一種である「エリスリトール」と殺菌剤を組み合わせた新しく安全な義歯洗浄剤を検討することである。昨年度確立したYNB/100mM glucose+GlcNAcの培養液によるカンジダバイオフィルムを用いて評価した。塩化ベンゼトニウム(BTC)だけでなく、塩化セチルピリジニウム(CPC),トリクロサン(TC)においても同様なエリスリトールの増強効果が認められた。
さらに、今回は,エリスリトール配合殺菌剤だけでなく、紫外線発光ダイオード(UV-LED)のカンジダバイオフィルムへの殺菌効果も検討した。UV-LED照射の消毒効果を増強する目的で、パルス照射の効果をカンジダと大腸菌のバイオフィルムを用いて評価した。その結果、UV-LEDの照射の効果は、時間依存的におよび強度依存的に増強された。ノパルス周波数の影響は、100Hz付近で極大を示す特性を示した。マンニトール処理の影響も見られ、UV-LEDの効果が活性酸素種を介することも示された。また、免疫蛍光染色からUV-LED照射によって真菌内の一酸化窒素が増加し、バイオフィルム内の真菌死に関係していることも示された。機能水の効果についても同様な材料と方法で検討するとともに、犠牲腐食法によって機能水による義歯に使用している金属の腐食を防止する方法も考案した。
エリスリトールは、バイオフィルムを分散する効果があり、これを配合した殺菌剤は義義歯洗浄剤は効果的であることが示された。あわせて新しく安全な義歯洗浄方法として,機能水およびUV-LEDも有効であることが示された。
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