研究概要 |
日中に常に歯を接触させてしまう癖(Teeth Contacting Habit:TCH)の役割を解明するにあたり,基礎的な検討として実験室条件下での客観的なTCHの検出方法として当初考えていた接触センサーの使用を試みたが,接触センサーを被験者の口腔内の歯に直接接着した標点に対して設定することから口腔の感覚が不自然になり課題実行中の環境として好ましくないことが明らかになった.そこで,今後はビデオ記録システム等を導入し直接被験者に接触しない状態でTCHを検出していくこととした.また,脳の血流を非侵襲的に測定する光トポグラフィー(Near-Infrared Spectroscopy:NIRS)による脳の活性化部位の特定に関しては,8人の健常なボランティアに対し左右側での被験食品の咀嚼課題中の前頭前野の脳血流量を測定した.その結果,咀嚼時に無意識に好んで用いる側と好んで用いない側における咀嚼運動の実行に前頭皮質活動が関与しており,好み側咀嚼は,非好み側咀嚼より有意に高い前頭皮質の活性化を示していることを明らかにした.そこで,同様に無意識に行われているであろうTCH時の脳活動についても前頭皮質を測定対象とすることにした.
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