研究概要 |
H22年度は最終仕上げとして,リコールした被験者以外にも対象を広げて予後不良となった患者の上部構造を検討した.そのために顎骨内の応力分布を解明する有効な手段である三次元有限要素解析を用いて,精度の高い三次元有限要素解析モデルを製作した. (1) 実際に使用していた上部構造にインプラント体を付け,埋入ポジションを確認後,硬質ポリウレタンに実際の埋入ポジションと同じ位置にインプラント体を埋入(実モデル) (2) モデルをマイクロCT撮影 (3) 三次元有限要素解析モデル(FEAモデル)におけるインプラント体および上部構造の応力解析 (4) FEAモデルで応力が過度に加わっている部位,またその応力が加わらないような咬合の付与 (5) 上部構造設計の修正 修正後に再度,生体計測をはじめとした複合バイオメカニックス解析を行い,この結果に基づいて予後が良好となるように上部構造の設計を修正する.(材質,形態,咬合状態など) 全てを統括して,複合バイオメカニックス解析の細部のアルゴリズムを修正した. 以上の結果を総合して,複合バイオメカニックス解析を用いたインプラント失敗確率の推定できる可能性が示唆された.
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