咬合の機能的障害がストレスとなり、脳内神経伝達物質の代謝を特異的に機能亢進させることが解明されつつある。しかし、咬合ストレスの前頭皮質ドーパミン系におよぼす影響については、小動物を用いた研究が中心で、人においての検討は十分とは言えない。そこで今回、近赤外分光分析法(NIRS)、自律神経、内分泌系、心理学的観点などから1次ストレスとしての実験的咬合干渉(実験的下顎偏位)付与後の連続計算、不快画像の提示、咀嚼などの2次的ストレスが脳神経機能、特に前頭葉にどのような影響を及ぼすかを解析し、不定愁訴などの治療にも役立てることを目的とする。
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