研究概要 |
高強度セラミックス(ジルコニア)と間接修復用コンポジットの接着強度を評価し、オールセラミック修復物の長期経過安定に適したセラミック表面処理方法について検討した。研究1ではジルコニア表面処理の違いによるジルコニアと間接修復用コンポジットの初期における接着強さについて、研究2では水中熱サイクル負荷後におけるジルコニアと間接修復用コンポジットの接着強さについて比較検討を行った。 研究1では接着体としてジルコニアを用い、8種類のプライマーと比較対照群としてプライマー処理なしを加え、計9条件とした。また、間接修復用コンポジット充填前にオペーク材塗布の有無で、オペーク材塗布群とオペーク材未塗布群の2群に分けた。エステニアC&Bを使用し試料を製作し,その後せん断接着試験および破断面観察を行った。研究2では研究1と同様に、5種類のプライマーで処理し、計5条件とした。試料製作後、37℃精製水中で24時間保管後および5,000回水中熱サイクル負荷した試料に対し、せん断接着試験および破断面観察を行った。 本研究の範囲内において以下の知見を得た。1.疎水性リン酸エステルMDPを含むプライマーでのジルコニア表面処理により、ジルコニアと間接修復用コンポジット間の高い接着強さが得られた。2.非貴金属接着用プライマー処理をしたジルコニアと間接修復用コンポジットとの接着において、ボンディング剤としてのオペーク材が接着強さの向上に有効であった。3.芳香族カルボン酸誘導体4-META、ホスホン酸誘導体6-MHPA、MDP含有のプライマーによる処理はジルコニアと間接修復用コンポジットの接着耐久性向上に有効であることが明らかになった。
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