研究課題/領域番号 |
20592310
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
玉置 幸道 昭和大学, 歯学部, 准教授 (80197566)
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研究分担者 |
堀田 康弘 昭和大学, 歯学部, 講師 (00245804)
藤島 昭宏 昭和大学, 歯学部, 講師 (50209045)
柴田 陽 昭和大学, 歯学部, 助教 (30327936)
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キーワード | ジルコニア / CAD/CAM / 生体親和性 / 表面処理 / 細胞適合性 / 接着 |
研究概要 |
ジルコニア生体親和性を細胞で評価する前段階として、表面を研磨した後にいくつかの処理を施したイットリア部分安定化ジルコニアとナノジルコニアを疑似体液に3日間浸漬して表面性状の変化、ならびに析出物を検討した。アルミナサンドブラストでは表面が単斜晶に変化している様子がX線回折結果より明らかとなったがシラノペン処理、ケイ酸カルシウムブラスト処理では大きな変化は認められなかった。電子顕微鏡で観察したところ、表面には多くの塊状物が存在し、FTIR分析によると炭酸カルシウムの生成と推定されたが、リン酸系の析出物は認められなかったが、浸漬期間の延長により。シラノペン処理では浸漬前より細かな塊状物の形成が確認されたが、他の処理と大きな差は認められなかった。また、ジルコニアの組成による違いも明確には現れなかった。さらに強度比較で優位性が大きいナノジルコニアについても検討を加えた。もともとはアルミナ含有ジルコニアであるが、ジルコニア粒子、アルミナ粒子の中に各々ナノサイズのアルミナ微粒子、ジルコニア微粒子を取り込ませ複合化している。ある種の弾性を有して強度が集中する箇所でも耐性に優れる材料を利用してポーセレン築盛後に疲労試験を行ったところ、ポーセレンの破折する曲げ変形にナノジルコニアは十分耐えることが判明し、疲労試験前後での曲げ強さはポーセレン自体の特性に依存することが認められた。一方、ジルコニアフレームに対するポーセレンの前装について検討を行ったところ、フレームに直に粉末築盛を行い焼結で前装をするよりも、クラウン部分だけを個別にCAD/CAMで製作しレジンセメントを用いて装着した方が荷重に対する耐性が大きいことが明らかとなった。ジルコニアはチタンと同等の生体親和性を有し、さらにナノジルコニアの開発により変形に対する耐久性も高く、インプラント埋入材料としての可能性が示唆された。
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