研究概要 |
足場に用いる生体吸収性の材料であるPLAを用いて織物構造についてその細胞接着能を検討し,細胞接着能をvitroで確認した。また,PCLコーティングによる複合化で材料強度の検討では,複合化により操作性の向上が認められた。これらのことからPLAを足場として用いた場合でもインプラント支持骨としての歯槽骨の再生能力が期待できることが明らかとなった.一方で足場としての機能よりも新規骨再生材料としてα-TCPを開発して骨再生が可能であるか検討した。気孔径を200-1000μmでの設計になるよう作製することが可能になった。そこで,これらの粒径を分類して200-500μと1000-1500μの2種類のα-TCPを製造分類できた。また人工コラーゲンの濃度は0.1,0.5,1.0,2.0%と比較検討したところ低濃度で細胞増殖に優れていることが明らかとなり,人工コラーゲンは濃度を決定させた。この材料を用いてのブタの頭蓋骨と顎骨に埋植し,材料吸収速度と骨再生を確認するために,CTを用いて骨増生過程を定量的に検索するシステムを確立してきた,具体的にはチタン製の1mm角柱クリップを成形して作成した顎骨および頭蓋骨の骨欠損部(φ6×2mm)に挿入することで,作成した骨欠損と自家骨との境界が明瞭になりより骨再生能のより定量的評価が可能になった。現在,μCTでの評価系を確立させるために,再生骨・母骨・チタンクリップのどれもが評価可能な画像を得られるように条件設定をおこなっている。一方,自己幹細胞を用いた細胞培養においては増殖・分化の後,ブタの自己血から調整したPRPを用いて手術時に再生材料と混和させるという培養系を確立することが可能になった。
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