研究概要 |
窒素含有bisphosphonates(N-BPs)による顎骨壊死のマウスモデルによる検討(LPSによる増強およびnon-N-BPのetidronate(Eti)による抑制) : N-BPsは骨吸収の亢進を伴う疾患に広く応用されている. N-BPsが発熱などの炎症性副作用をもつことは知られている. 最近予想外の副作用が注目されている. "顎骨壊死とそれによる顎骨の露出"である. 口腔細菌と歯科治療の関与が予想されるが, 機序は不明である. 我々は, NBPsの壊死作用の, うち, 以下のことを見出した. (1)NBPsの壊死作用には細菌感染が関与する. (2)Etiの細胞内取り込みを抑制することにより, NBPsの壊死作用を抑制する. (3)N-BPsの代用薬としてEtiを利用できる可能性がある. (08日本骨代謝学会発表) 骨粗霧症患者におけるN-BPsによる顎骨壊死 : 進行阻止と骨吸収抑制維持を目指したEtiへの切り換えの試み. 我々は, 骨粗霧症患者の2症例を経験したので, 我々の基礎研究における成果をもとに, Etiへの切り換えの試みを行った. 結果 : 感染や抜歯により顎骨に炎症が起ると, BPsはこの炎症部位に集中的に集積して過剰蓄積が起こる. NBPsの場合は炎症と顎骨壊死につながる. しかし, 初期段階でEtiに切り換えると, Etiは同じ炎症部位に集中し, すでに蓄積しているNBPと置き換わり, 壊死を予防し, また, その進行を止めることができる. 以上のことより今回の試みはこの仮説を支持する経過を辿っているものと思われる. (2nd Joint Meeting of the International Bone & Mineral Society and the Australian & New Zealand Bone & Mineral Society発表, 08日本骨代謝学会発表, 08日本口腔外科学会発表08歯科基礎医学会発表)
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