研究課題/領域番号 |
20592320
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
菅野 勇樹 東京大学, 医学部附属病院, 医員 (80451813)
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研究分担者 |
小笠原 徹 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (20359623)
近津 大地 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (30343122)
大橋 克巳 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (60233235)
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キーワード | βカテニン / PTH / 骨形成 / 顎顔面骨再生 / G蛋白 / Wntシグナル / PTH / PTHrP受容体 |
研究概要 |
今年度、PTH受容体へのβカテニンのin vitroにおける結合の確認とその部位を同定した。具体的には骨芽細胞株MC3T3E1細胞を用い、PTH刺激膜たんぽく質を分離回収し、PTH受容体特異的抗体およびβカテニン抗体で、免疫沈降法およびウェスタンブロッティング法により蛋白-蛋白結合を検討したところ、PTH受容体とβカテニンの特異的な結合が確認された。興味深いことにPTH刺激後、PTH受容体と内在性βカテニンの結合は減弱した。蛍光顕微鏡または蛍光共焦点顕微鏡で細胞膜上に緑色発色するPTH受容体の細胞株を用いて、内在性βカテニンを検出したところ、それらの局在は細胞膜上でMergeすることを示した。PTH受容体はC末端に様々な分子と結合し、相互作用することが知られているが、βカテニンの結合部位を同定するために、C末端欠損型PTH受容体コンストラクトを作成した。PTH受容体の細胞内C末端は463番目から591番目までのアミノ酸より構成されているが、これら126個のアミノ酸のうちC末端のアミノ酸から20アミノ酸ずつ欠失させGFPを結合させたC末端変異体-GFP受容体、および463番日のアミノ酸から20アミノ酸ずつ欠失させGFPを結合させたN末端変異体-GFP受容体を作成し、In vitro translational蛋白発現ベクターに組込んだ。これら変異体受容体蛋白βカテニン in vitro translational蛋白を免疫沈降法で検討した。その結果、572番目から591番目までのC末端アミノ酸にβカテニン結合部位が存在していることが示された。続いて、βカテニンsiRNA導入によるPTHシグシグナルの検討を行った。PTH刺激により活性化される細胞内サイクリックAMP(cAMP)を測定したところ、βカテニンsiRNA導入によりcAMPはコントローノレに比べて顕著な上昇を示した。今後はβカテニン結合部位欠損型PTH受容体によるPTHシグナルの検討を行う予定である。
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