研究課題/領域番号 |
20592322
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小田 陽平 新潟大学, 医歯学系, 助教 (50397121)
|
研究分担者 |
齋藤 力 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80103357)
小林 正治 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (80195792)
|
キーワード | 睡眠時無呼吸症候群 / リスクファクター / 睡眠検査 / 顎骨形態 / 肥満度 / 側方頭部X線規格写真 |
研究概要 |
日本における閉塞型睡眠時無呼吸症候群の有病率は欧米と同程度であるが、欧米の報告と比較して超肥満症例の占める割合が低いことから、日本人は骨格的に閉塞型睡眠時無呼吸症候群になりやすい人種ではないかともいわれている。本研究の目的は、日本人における閉塞型時無呼吸症候群のリスクファクターを明らかにすることである。 対象は日本人男性睡眠呼吸障害患者300名で、閉塞型睡眠呼吸障害の重症度、年齢、肥満度、側方頭部X線規格写真を用いた顎顔面形態分析結果との関連性を検討した。 終夜睡眠ポリソムノグラフィ検査結果から閉塞型睡眠呼吸障害の重症度を分類したところ、Apnea Hypopnea Index(AHI)が5未満のいびき症12名、AHI5以上15未満の軽症77名、AHI15以上30未満の中等症122名、AHI30以上の重症89名で、平均AHI(SD)は25.5(18.1)あった。年齢は20歳から78歳、平均(SD)は49(14)歳で、肥満度を表すBMIは17.0から39.4、平均(SD)は24.7(32)であり、BMIが30以上で肥満2度以上の患者は18名6%であった。側方頭部X線規格写真分析では、SNA、SNB、PPH、MPH、PAS、軟口蓋長などの顎顔面形態や気道形態を反映する項目を計測し、それぞれの平均値(SD)は、82.4(4.1)、78.0(6.8)、56.8(16.4)、23.8(6.5)、16.5(6.0)、64.8(19.2)であった。AHIと各項目間についてSpearmanの順位相関係数を算出し検討したところ、AHIは加齢に伴い上昇する傾向があり、BMIとも高い相関を示した。また、AHIと相関を認めた側方頭部X線規格写真分析項目は舌骨から口蓋平面までの距離PPHであった。 以上の結果から、日本人男性閉塞型睡眠時無呼吸症候群患者では、加齢や肥満の進行ならびに舌骨が低位をとるような顎顔面形態がリスク因子であるが、肥満2度以上の患者の占める割合は低かった。
|