研究分担者 |
加藤 恵三 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (40397336)
牧田 浩樹 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (50345790)
畠山 大二郎 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60377653)
土井田 誠 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90313890)
柴田 敏之 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50226172)
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研究概要 |
平成20年度計画では以下の検討をおこなうこととしていた.すなわち 1)遺伝子の発現の検討:腫瘍組織(前がん病変),正常粘膜からRNAを抽出し,p16,p15,p14,E-cadherin,β-catenin,MGMT,APC,DAPK,RECK遺伝子のmRNA発現の有無をPCRにて測定する. 2)遺伝子のプロモーター領域のhypermethylationの検討 腫瘍組織ならびに末梢血血漿中の上記遺伝子のhypermethylationについてはmethylation specific PCR法を応用してpromotor領域のhypermethylationを検討する.上記の結果と臨床病像(腫瘍の占拠部位,TNM分類,治療法,生存率,生活習慣を含めた患者背景因子など)ならびに病理組織像(組織学的分化度,浸潤様式,術前療法の組織学的効果,転移リンパ節の被膜外進展など)と比較を行う.上記の検索を総合し,口腔がん患者の血漿において癌抑制遺伝子のメチル化がどのように関与しているかを明らかにする. このためのサンプルとして,平成20年度からの口腔扁平上皮癌患者の治療前(担癌)と治療後の末梢血血漿,腫瘍組織と正常粘膜組織を採取しており,33例分を凍結保存している.また,以前からの口腔扁平上皮癌患者の口腔内スワブサンプルを72例分冷凍保存している.これらの症例の臨床病態ならびに病理組織像のデータ化は完了しており,予後に関してのデータを随時更新中であるが,遺伝子検索については,主として平成21年度以降に検索を行う予定である.部分的な結果ではあるが,腫瘍組織においてp16,MGMTならびにRECKは約50%の症例でhypermethylationが検出されている.今後,血漿中のDNA断片におけるメチル化異常の検出により,治療成績や生存率を向上させることが予見できる.
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