研究概要 |
ホルマリン固定パラフィン標本において、凍結標本による染色像を参考にして、パラフィン標本にても二重免疫染色を行った。抗原賦活法を駆使し、感度を向上させて凍結標本とほぼ同様な染色を行うことができた。 CD8^+ CTLが発現するCD69、Ki-67、PD-1、NKG2D、およびCD4^+ T cellが発現するCD69、Ki-67、PD-1の陽性率を検討した。癌胞巣内でのCD8^+ CTLは優位にPD-1を発現した。Ki-67は全く発現が認められなかった。癌胞巣内ではCD4^+ T cellそのものが、ほとんど存在しなかった。癌周囲間質では、CD8^+ CTLは癌胞巣内よりもPD-1の発現率が少なかった。Ki-67はCD8^+ CTL、CD4^+ T cell伴に癌胞巣内と比べて高率に発現した。同様にCD8^+ CTL、CD4^+ T cellは癌周囲間質でNKG2Dを高率に発現した。 NK cellが発現するNKG2Aの発現率は、癌周囲間質に比較して癌胞巣内で優位に高率であった。NKG2Dの発現は癌周囲間質で癌胞巣内よりも発現頻度が高かった。 myeloid dendritic cellは,癌周囲間質で癌胞巣内よりもDC-LAMPの発現頻度が高かったplasmacytoid dendritic cellは癌周囲間質と癌胞巣内の双方でDC-LAMPの発現は認められなかった。
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