研究概要 |
アフタの発症メカニズムは未だ不明な点が多く,明確な答えはない,診断はもっぱら現病歴や臨床所見に基づいたものでしかない,それゆえに根拠となる客観的な指針がないのが現状であり,治療法においても根本的な方法は確立されておらず,現時点では対症的な方法にとどまっている.そのため、本研究の目的はアフタの病態解明に向けて,特に全身疾患とも関わりのある再発性のアフタ性口内炎(Recurrent Aphthous Stomatitis: RAS)に着目し,その要因として挙げられているストレス,免疫機構,微生物との関わりについて解析を試みることを目標に本年度は準備してきた. I.対象:本研究期間で検討する患者群は10名程度を目標とすることが妥当と考えているが,現在サンプル採取進行中である. II.唾液:コルチゾールの分泌量は起床時前後に最も高く,午前中には減少し,午後に安定するというサーカディアンリズムをもっているため,採取を1日3、4回として継時的測定を行う予定で現在進行中である.コルチゾール濃度はサンプルの粘性に影響するため,採取5分以内の飲水および30分以内の歯磨きを制限し,食事前のものとする.また必要量を排出できない者に対しては測定に影響しないガムを咀嚼してもらい採取している.採取後,-20℃での凍結および融解後,1500g×15分遠心しムチンを沈殿させ,上精を-80℃で保存している.測定は全サンプルを同時に行なう予定である.
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