研究概要 |
平成22年度は昨年度に引き続き、咀嚼筋腱・腱膜過形成症における組織免疫染色および細胞のクローナリティー解析を行った.咀嚼筋腱・腱膜過形成症の検体で解析をしたのは1例であった.組織サンプルをまず,手術室から持って行き,サンプルを組織免疫染色用およびクローナリティー解析用にメスで切除して分けて実験室の-80℃に保存した.通法に従って組織切片を作製し,Smad8, Tenomodulin, GDF-8, GDF-5について免疫染色を行った.その結果,各分子はタンパク質レベルで強く発現しており,咀嚼筋腱・腱膜過形成症患者の腱組織での発現が確認された.とくに筋組織と腱組織の境界領域において発現が認められた.また,クローナリティー解析については,P. A. L. M. laser microdissection systemを用いて,Laser Captured Microdissection(LCM)を行った.さらに,腱および腱膜の過形成にどのようなタンパク質が関与しているかを検索するために行った2次元電気泳動による受託解析の結果として,咀嚼筋腱・腱膜過形成症患者においてcollagen6A1の発現が上昇していることが明らかとなった.
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