研究概要 |
1.臍帯由来有核幹細胞から間葉系細胞の分離・増殖と骨分化能 臍帯から間葉系幹細胞の分離・増殖を行った.臍帯からは比較的容易に間葉系幹細胞の分離が可能であった.次に臍帯由来間葉系細胞の分化能の確認(in vitro)として脂肪細胞と骨芽細胞への分化誘導を行い,in vitro染色のOilred O染色とAlizarin Red S染色でそれぞれの分化誘導が確認された.また臍帯由来間葉系細胞を骨芽細胞への分化誘導時ではin vitroでrunx-2、アルカリフォスファターゼ、オステオポンチンとオステオカルシンのRT-PCRで発現が認められた. さらに多孔質Hydroxyapatiteを担体とし臍帯由来間葉系細胞の骨分化誘導細胞をヌードマウスに移植するin vivoの実験系で,多孔内に硬組織が形成され,HE染色,ヒトオスレオカルシン免疫染色,ヒトミトコンドリア免疫染色でヒト骨組織であることが確認された.また、走査電顕でハイドロキシアパタイトと細胞を観察し親和性に問題がないことを確認した。以上の結果から臍帯由来間葉系細胞は再生骨組織形成のソースとなると考えられた. 2.臍帯血上清から多血小板血漿(PRP)とFibrin Paste (PPP:担体)とを作製.またそれらの凍結保存の可能性を検討多血小板血漿(PRP : Platelet-Rich Plasma)層からは、PDGF, TGF-β, VEGF, EGF等を含むPRP作製した また血漿層から自己血清培地とFibrin Paste (担体)を分離した.現在それぞれを凍結保存中で、今後PRPはその成長因子の活性を,Fibrin Pasteは担体としての有用性をそれぞれ検討した.その結果,PRPは凍結保存を行ってPDGF, TGF-β, VEGF, EGF等の活性が維持されること,Fibrin Paste (担体)は凍結保存を行っても担体として有用であることが判った.
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