研究概要 |
【実施研究】1-1)3か月凍結保存による臍帯由来間葉系細胞の増殖能・多分化能の詳細を検討した(特に前年度の研究により臍帯由来間葉系細胞は骨芽細胞への分化誘導が通常の骨誘導培地では落ちる傾向にあった.そこで今年度はBMP等の骨誘導因子を添加しin vitroでの生物学的活性を再検討した).1-2)3か月凍結保存による臍帯由来間葉系細胞の増殖能・多分化能と骨髄由来間葉系細胞のそれとを比較した(当科では従来の研究により骨髄由来間葉系細胞の多分化能等のデータが蓄積されており、それらと凍結保存後の臍帯由来間葉系細胞の増殖能・多分化能等の生物学的活性を比較・検討した).2.Hydroxyapatiteを担体として3か月凍結保存による臍帯由来間葉系細胞からハイブリッド型代替骨を作製し,in vivoでその臨床展開への可能性を検討した.【研究結果】1-1)凍結保存可能であった臍帯由来間葉系細胞4検体で行い,増殖能は検体を除き増殖能の低下が認められた.b-FGF依存により積極的に臍帯由来間葉系細胞を増殖させた後にBMP-2を添加し骨誘導分化を行ったがin vitroの生物学的活性は低値であった.1-2)3か月凍結保存による臍帯由来間葉系幹細胞の増殖能・多分化能は骨髄由来間葉系幹細胞のそれらより明らかに劣っており,特に骨髄由来間葉系幹細胞は通常の骨誘導培地環境下で骨芽細胞系細胞に容易に分化するのに対して臍帯由来間葉系幹細胞は積極的な骨誘導を行っても分化抑制が確認された.2.明らかな骨組織形成は認められなかった.
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