研究概要 |
今年度実施した研究事項と得られた主たる研究成果は以下の通りである。 1.骨吸収を惹起する顎骨の歯原性腫瘍とその生理学的な組織との比較研究 マウスの歯の発生を基盤に,その細胞分化の様相を明らかにするとともにその腫瘍化に関する比較細胞学的な研究データの蓄積ができ,その内容を著書として世に送り出すことができた。すなわち,“Cell differentiation of neoplastic cells originating in the oral and craniofacial regions. Nova Science Publishers, NY, USA"である。 2.エナメル上皮から発生する良性および悪性の腫瘍細胞の細胞分化 とくにエナメル上皮腫に関して研究を遂行し,その細胞分化にはNotchシグナルが重要な働きをしている事を明らかにし,学会発表を行うとともに2論文としても印刷公表した。さらに,エナメル上皮腫の腫瘍増殖に関し“Juxta-epithelial hyalinization"の重要性についても明らかにした(印刷公表済み)。 3.歯原性腫瘍,とくにエナメル上皮腫に関してその基底膜の構成変化を歯胚のものとの比較研究も行い,腫瘍化後の細胞増殖に関する考察を行った。 4.歯原性間葉からなる腫瘍やその成分についても細胞増殖とNotchのシグナルが関係している事を明らかにした。
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