研究課題/領域番号 |
20592350
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
李 憲起 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (60350831)
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研究分担者 |
上松 隆司 松本歯科大学, 大学院・歯科独立研究科, 准教授 (40203476)
高橋 美穂 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (00444795)
丹羽 崇 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (60507680)
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キーワード | 腫瘍ワクチン / OK-432 / サイトカイン / CD4 / CD8 / 癌 / 免疫染色 / ELISA |
研究概要 |
扁平上皮癌細胞株KLN205細胞とOK-432を重合し、腫瘍ワクチン(KLN205ワクチン)を作製した。マウスに3回免疫後、KLN205細胞を舌に接種した。腫瘍発生率と死亡率を検討する上、腫瘍接種の前日と腫瘍接種後の1、5、10、15、20日目に血清、リンパ節ならびに舌組織など経時的に舌癌組織標本を作製し、免疫組織学的細胞同定すると共に病理組織学的に浸潤細胞と腫瘍細胞の状態を観察した. その結果、対照群では腫瘍接種後10日前後の間に腫瘍が100%形成され、腫瘍接種後30日までにすべてが腫瘍死となった。一方、KLN205ワクチン群では、腫瘍の発生率が65%におさえられ、腫瘍移植後40日の時点では50%の生存率であった。対照群と比較して、腫瘍発生率・死亡率ともに有意に低く上、腫瘍が生着したマウスでも腫瘍増殖が抑制された。血清中のIFN-γとIL-2、IL-4、IL-6、IL-10、IL-12をELISAで定量したところ、KLN205ワクチン群はTh1系のIFN-γとIL-2、IL-12およびTh2系のIL-10の濃度が高値を示し、対照群では有意なサイトカインの誘導はみられなかった。マウスのリンパ節より採取したリンパ球と腫瘍細胞混合培養24、48、72時間後、培養上清中のサイトカインの測定した結果、KLN205ワクチン群のリンパ球では、Th1サイトカインの産生が誘導されていることが明らかとなった。また、腫瘍移植後24時間、10日目の免疫組織化学的観察(免疫染色)について、KLN205ワクチン接種群では、対照群に比べ、腫瘍細胞の周囲にマクロファージとCD4^+とCD8^+T細胞の著明な浸潤が認められ、CD25(IL-2Rα)、CD122(IL-2Rβ)も陽性であった。 以上の結果から、マウス移植舌癌モデルにおいて、OK-432重合腫瘍ワクチンは、強い抗腫瘍免疫応答を誘導することが明らかとなった。
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