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2010 年度 実績報告書

口腔癌における核内転写因子群Pax familyの総合的解析

研究課題

研究課題/領域番号 20592353
研究機関千葉大学

研究代表者

小河原 克訓  千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (20372360)

研究分担者 鵜澤 一弘  千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (30302558)
キーワード口腔扁平上皮癌 / Pax Family / マイクロアレイ解析 / リアルタイムPCR法 / 免疫染色法
研究概要

Pax遺伝子群は9つの遺伝子(Pax1~Pax9)からなるfamilyを形成し、核内転写因子であり、発生初期における細胞分化への関与が報告されている。また、本遺伝子はヒト成人細胞において、抗腫瘍遺伝子であるp53の発現を調節すること、変異タンパクが肺扁平上皮癌をはじめとする複数のヒト癌組織で認められていることから、発癌への関与が示唆されている。従って、癌細胞内におけるPax遺伝子群の発現状態を詳細に検討することは、癌細胞における核内情報伝達経路の解明に有用であり、さらに、癌の新規診断法、新規治療法(分子標的治療や遺伝子治療等)の開発に役立つものと期待できる。本研究では、口腔癌におけるPax遺伝子群の発現状態を、family gene全体として評価することを目的とした。
多数の口腔癌細胞株における発現状態を、マイクロアレイ解析とリアルタイムPCR法を用いて解析した。9つのPax遺伝子のうち、口腔癌細胞株においてマイクロアレイ解析で発現が亢進していたものはPax1,Pax2,Pax3,Pax5,Pax6,Pax7,Pax8の7種類であり、Pax4およびPax9は発現減弱していた。発現はPax5が最も増強しており、Pax9が最も発現減弱していた。口腔扁平上皮癌細胞株5種(HSC2,HSC3,HSC4,Ca9-22,Sa3)についてリアルタイムPCR法を用いてmRNA発現解析を行ったところ、Pax5が口腔扁平上皮癌細胞株でヒト正常口腔粘膜上皮細胞に比べ、5種類の口腔扁平上皮癌細胞株全てにおいて発現していた。また、このPax5は9種類のPAX遺伝子のなかで最も高発現していた。さらに、50症例の臨床サンプルに関してreal time PCR法と免疫染色法で検討したところ、Pax5が78%と非常に多くの症例で強発現をしていた。他のfamily遺伝子は発現状態の傾向は癌細胞と同様であったが、症例間でばらつきが大きかった。以上の結果から、Pax5は口腔扁平上皮癌関連候補遺伝子として示唆された。

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公開日: 2012-07-19  

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