研究課題/領域番号 |
20592355
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
和田 重人 富山大学, 大学病院, 講師 (50303219)
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研究分担者 |
近藤 隆 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (40143937)
小川 良平 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 講師 (60334736)
田渕 圭章 富山大学, 生命科学先端研究センター, 准教授 (20322109)
鈴木 信雄 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 准教授 (60242476)
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キーワード | ナノ粒子 / 口腔癌 / 温熱療法 / 特異的温度制御 |
研究概要 |
HSC3の細胞増殖は37℃および42℃と比較して、44℃処理で有意に抑制された。温熱処理後12時間における細胞死は、42℃で5.0%、44℃で17.4%であった。K-means法を用いたクラスター解析では、42℃処理で有意な発現変動を示す遺伝子は9クラスター(cluster 42-I~IX)に分類された。cluster 42-Iに属する遺伝子群において多数の熱ショックタンパク質(HSPs)を含む転写後修飾および蛋白質フォールディングに関した遺伝子ネットワークが存在し、これらの働きで温熱による細胞障害が抑制されていると考えられた。一方、44℃処理で有意な発現変動を示す遺伝子は9クラスター(cluster 44-I~IX)に分類された。cluster 44-IIIにおいてCDK6(cyclin-dependent kinase 6)を含む細胞周期、およびcluster 44-VにおいてJUN (jun oncogene)やBAG1(BCL2-associated athanogene)を含む細胞死に関連した遺伝子ネットワークが存在した。42℃では観察されないこれらの遺伝子ネットワークが機能することにより、細胞障害が誘導されると考えられた。今後、各ネットワークに属する遺伝子の機能や相互作用を詳細に解析し、口腔がん細胞の温熱耐性機序や細胞死誘導機構が明らかにする。また、口腔扁平上皮由来のSAS、HSC2、HSC4においても上記の遺伝子発現パターンの有無を検索中である。
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