1.ヒト血管内皮前駆細胞(EPC)の分離 健康ヒト末梢血から単核球をFicoll-PaqueRによる比重遠心法で分離後、磁気細胞分離法により単核球中のCD34およびCD133陽性細胞を分離しEPCとした。しかし、EPCの分離精度が低いため、実験にはApproCell社から販売されているEPCを使用した。 2.EPCにおけるanioeninの核への移行(Nuclear translocation)の確認 1)EPCにおける外因性angiogeninの核への移行:無血清培地に10ng/mlのangiogeninを加え37℃、1時間EPCを培養し、抗angiogeninマウスモノクローナル抗体26-2FとAlexa488でラベルした抗マウスニ次抗体で染色し、angiogeninの核への移行・集積を蛍光顕微鏡で調べた。AngiogeninはEPCの濃度に関係なく、核へ移行した。 2)各種血管新生因子(VEGF、bFGF、EGF)刺激によるEPCにおける内因性angiogeninの核への移行:10ng/mlの上記血管新生因子で4時間EPCを刺激した後に、内因性angiogeninの核への移行を上記2.1)と同様の方法で調べた。EPCの細胞質に存在していた内因性angiogeninは、VEGF、bFGF、EGF刺激により核へ移行した。 3.EPCの増殖と浸潤・遊走に及ぼす外因性angiogeninの影響 EPCにangiogeninを加え、細胞数とリボゾームの生合成率(Hucleolar organizer regions(NOR)の銀染色をおこない、そのNORのドット数にて評価)を調べたが、増加は軽度であった。また、EPCの浸潤・遊走に及ぼす外因性angiogeninの影響を引っ掻き試験と遊走試験により検討したが、明らかなangiogeninによる増強作用は認められなかった。
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