研究概要 |
1. ヒト血管内皮前駆細胞(EPC)の分離(分担:岸本、佐々木) ヒト末梢血から単核球をFicoll-PaqueR(密度1,077)による比重遠心法で分離後、CD34とCD133マイクロビーズキット(ミルテニー社)を用い磁気細胞分離法により単核球中のCD34およびCD133陽性細胞を分離しEPCとする。本法を当初から継続して試みているが、EPCの分離精度が上がらず、以下の実験にはApproCell社から販売されているEPCを使用した。なお、本EPCはCD34およびCD133陽性であることを、蛍光抗体染色法で確認した。 2. 癌細胞クラスターに対するEPCの浸潤作用における外因性angiogeninの影響の検討(分担:岸本) 目的:癌細胞から分泌されるangiogeninによりEPCが腫瘍血管内皮を修飾するとともに、またEPC自身が腫瘍血管内皮細胞へ分化誘導を受け腫瘍血管新生に関与することを証明する。 方法:コラーゲン・ゲルに口腔扁平上皮癌HSC-2細胞を包埋クラスター状とし、EPCおよび血管内皮細胞HUVECとともにMatrigel上で培養する。そして、HSC-2細胞クラスター内にはいるEPCとHUVECを観察するとともに、angiogeninを加え、外因性angiogeninの影響を検討した。 結果:HSC-2細胞クラスター周囲へのEPCとHUVECのmigrationが観察され、angiogeninを添加することにより、その作用は増強した。現在、EPCとHUVBCを生きた状態で別々に蛍光色素でマーキングし、EPCとHUVECがHSC-2細胞クラスター内にどのように浸潤しているかの細胞動態を解析中である。
|