研究課題/領域番号 |
20592367
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤澤 俊明 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (30190028)
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研究分担者 |
福島 和昭 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00002361)
詫間 滋 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (60360921)
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キーワード | 静脈内鎮静法 / プロポフォール / TCI / 高齢者 |
研究概要 |
対象と群分け:65歳以上の高齢者を対象に、検討した。TCIポンプの目標血中濃度の初期設定値を以下の2群に分けて検討した。I群(1.4および1.5μg・ml)、II群(1.7および1.8μg・ml)。なお、先に行った成人対象での検討におけるI群(2.2μg・ml)、II群(2.6μg・ml)のそれぞれ3分の2の量を今回の高齢者での検討における初期設定値として割り振った。 主な評価項目:1)至適脳内濃度値、2)術中目標血中濃度と至適脳内濃度値との最大較差、3)血圧、脈拍数、動脈圧酸素飽和度の異常の有無 結果と考察:至適脳内濃度値は、I群、II群で、それぞれ、0.78±0.19μg/ml、0.84±0.17μg/mlであった。術中目標血中濃度値と至適脳内濃度との最大較差は、I群、II群で、それぞれ、0.35±0.28μg/ml、0.36±0.13μg/mlであり、群間差はみられなかった。 成人対象での検討では、2.2μg/ml群における最大較差が最も小さく、初期設定値の増大につれ、較差の幅が広がったが、今回の高齢者群での検討では、両群で差のない結果となった。この年齢層間の相違の理由の詳細は不明であるが、高齢者では薬物動態学的及び薬力学的個体差が大きいためかもしれない。なお、初期設定値が大きいII群において、導入時に呼名反応が一時的に見られなかった症例が1例、また、動脈血酸素飽和度が一時的に80台後半まで低下した症例が1例あった。いずれも一過性のものであり、すぐ回復したが、高齢者においては、初期設定量を少なめにして注意深く投与していくことが肝要と思われた。
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