研究概要 |
本研究では、ラットの顎・顔面部レベルにおける癌性疼痛および神経因性疼痛の病態について分子機構解、つまり脊髄の神経-グリア相互作用の時系列的・局所的変化を解明し、神経栄養因子誘導による治療が予防的および慢性期に治療応用できるか否か、基礎的知見を検討ている。 神経因性疼痛および癌性疼痛モデル作成し、その組織切片でのc-fos遺伝子発現およびDNA断片化にたいするTUNEL染色とastrocyte,s100β,BDNFに対する免疫染色を検討している。また、apoptosisがcaspase活性、ラジカル、TNFa他とどのような相互関係を有するかも検討している、そのため、caspase阻害薬(ZVAD)、カタラーゼ,SOD(ラジカル捕捉剤)、TNF-α阻害薬を経静脈的に投与して遺伝子発現と細胞死の面よりの検討を行う。さらにs100欠損マウスで神経因性疼痛モデルを作成し,アストロサイトーs100蛋白の関与をさらに確認する予定である.神経栄養因子誘導による治療が予防的および慢性期に治療応用できる最適な神経栄養因子の探索としてラット、マウス脳由来神経細胞、神経幹細胞を培養し、神経栄養因子の産生促進活性評価と細胞内シグナル伝達の修飾活性を評価する予定である。末梢神経障害後の痛覚過敏実験で、4-メチルカテコールおよび活性の確認された神経栄養因子についても、脊髄細胞の修復作用を評価する予定である。
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