研究概要 |
アミノフィリンの投与量の違いがミダゾラムの鎮静・催眠からの回復に与える影響を評価した.有志の健康成人男性を対象とし,90分間のトライアルをアミノフィリンの投与量を変え(0,1,3,5mg/kg)4回行った.それぞれのトライアルでアミノフィリンは,ミダゾラム0.06mg/kg投与後30分に投与された.測定項目は,bispectral index(BIS),指示行動に対する反応,認識力(計算問題),精神運動機能(Triger dot test),平衡機能検査(Gravicorder balance test),呼吸・循環パラメーター,血漿テオフィリン濃度,血漿ミダゾラム濃度とした.ミダゾラム0.06mg/kgの投与後,鎮静レベルは徐々に深くなり,投与後30分にはBISは60以下になった.また指示行動に対しては全例反応しなくなった.この鎮静・催眠状態からの回復時間は,アミノフィリンの投与量に依存し短縮された.特にアミノフィリン5mg/kgでは投与後直ちにBISが上昇し,アミナフィリン投与後30分以内で全ての観察項目がミダゾラム投与前の対象値まで回復した.また,24時間以内にアミノフィリン投与による副作用も認められなかった.この結果からミダゾラムの鎮静・催眠状態からの回復促進として,アミノフィリン5mg/kgの投与が臨床的に,最も有効で安全であることが示された.
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