研究課題/領域番号 |
20592387
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
須佐美 隆史 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80179184)
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研究分担者 |
大久保 和美 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10396715)
小笠原 徹 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20359623)
緒方 直史 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (10361495)
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キーワード | 顎裂部骨移植 / 副甲状腺ホルモン / 歯科矯正学 |
研究概要 |
本研究では、顎裂部で機能しうる新生骨を形成するために副甲状腺ホルモン(PTH)を利用し、効率的な骨形成を図るとともにその作用メカニズムを解明し、最終的には、その新生骨に対し矯正学的評価を行うことを目的としている。今年度は、PTHの骨形成促進作用メカニズムを明らかとする目的で、我々が確立したPTHの骨形成促進作用が認められる骨芽細胞様細胞株(MC3T3E1、ST2等)培養系を用いた解析を行った。具体的にはGαsおよびGαqをこれらの骨芽細胞に同時に強制発現させ、その発現バランスにより、骨芽細胞分化および破骨細胞形成支持能に差が現れるかを検討した。その際、効率良く遺伝子を強制発現させるために、恒常的に活性を持つCA-GαsおよびCA-Gαq遺伝子を含むアデノウイルスを作成し、これらを培養細胞に感染させる事により各々のG蛋白の発現量の差で、分化に対する影響、あるいは骨吸収の指標となる破骨細胞形成支持能への影響があるかどうかを検討した。骨分化の評価としては、Runx2、ALP、I型コラーゲン、骨シアロ蛋白、オステオポンチン、オステオカルシンなどの骨特異的マーカー遺伝子の発現をリアルタイムPCRで評価し、破骨細胞形成支持能の評価としては、RANKLの発現をリアルタイムPCRで検討した。上記検討項目の結果を受けて、現在、骨吸収に比べて、より骨形成を促進させて、最も効率のよい骨量増加を実現させるためのGαsとGαqの最適なシグナルバランスの決定を試みている。
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