研究課題/領域番号 |
20592390
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
金香 佐和 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (80372449)
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研究分担者 |
簡野 瑞誠 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (40345301)
小池 真理子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (50376779)
細道 純 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (00420258)
渡 一平 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (10431941)
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キーワード | 骨性癒着 / 歯根膜 / 再生 / in vivo electroporation / 石灰化抑制因子 / 再植 |
研究概要 |
矯正歯科臨床において、骨性癒着歯の存在は術者を悩ませるものである。骨性癒着歯の原因には、外傷、機能低下歯、歯科疾患、骨代謝異常、遺伝的要因などが挙げられるが、その分子細胞レベルでのメカニズムはいまだ不明である。我々はこれまで、機能低下歯モデルを用いて、歯根膜組織における線維の機能的排列の喪失、線維間基質の減少、血管数・血管径の減少、機械受容器の形態・応答特性の変化などの廃用性萎縮を明らかにしてきた。骨性癒着歯においてもその歯周組織は廃用性萎縮を起こしていると考えられ、それを再賦活化することが可能となれば矯正臨床において大変有意義である。そのために、まず骨性癒着歯歯根膜の病態を分子細胞レベルで把握しておく必要がある。 機能低下歯モデルを用いて、歯根膜細胞の増殖因子の一つであり歯根膜の治癒を促進するといわれているインスリン様成長因子(IGF-1)の発現変化を検討した。機能低下歯歯根膜においてIGF-1およびIGF-1受容体の発現量は減少した。 再植歯モデルを用いて、創傷治癒の過程において重要な因子である線維芽細胞成長因子(bFGF)の発現変化を検討した。再植後非咬合群では骨性癒着が観察され、bFGF陽性細胞は咬合群に比べ減少していた。再植後咬合群と再植後咬合回復群では骨性癒着は観察されず、bFGF陽性細胞数は未処置群に近い値を示したことから、咬合刺激が再植歯の骨性癒着を抑制し、その機序の一つにbFGFが関与することが示唆された。
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