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2009 年度 実績報告書

乳歯歯質が持つ生理的歯根吸収の調節機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20592392
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

高木 裕三  東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 教授 (30124697)

研究分担者 下川 仁弥太  東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 非常勤講師 (80014257)
宮新 美智世  東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (90229849)
キーワード乳歯 / 象牙質 / 生理的歯根吸収 / 破骨細胞 / 吸収活性 / TGF-β / BMP-2 / 非コラーゲン性有機基質
研究概要

上顎永久犬歯の萌出時に、近接する永久側切歯や第一小臼歯の歯根は吸収されないが、先行乳犬歯にのみ歯根吸収が生じていることは臨床のエックス線写真検査でよく観察される。このことは乳歯と永久歯の歯根の被吸収性に差がある事を示唆している。そこで我々は象牙質中に破骨細胞の吸収活性に影響を与えるシグナル物質が存在し、歯根吸収を調節しているとの作業仮説をたて、これを確認する実験を行った。その結果、象牙質の有機基質中に破骨細胞の吸収活性を抑制する因子が含まれていることが示されたが、乳歯と永久歯で比較した所、両者の間で有意な差は確認できなかった。そこで本年度は象牙質の有機基質中に破骨細胞の分化を抑制する因子が含まれていて、これが乳歯と永久歯の歯根象牙質の吸収性に影響しているとの仮説をたて、次のような実験を行った。
マウス骨髄マクロファージを培養している培地に象牙質の脱灰抽出物を添加した後、5日間培養して破骨細胞のマーカーの変化を調べた。その結果、象牙質の脱灰抽出物とTGF-βはTRAPの活性を上げたが、BMP-2は上げなかった。一方、TGF-β receptor阻害剤による破骨細胞のTRAP活性の抑制は象牙質の脱灰抽出物の方がTGF-βより低かった。
これらの結果は、象牙質の有機基質中に含まれるTGF-βとBMP-2が破骨細胞の分化に影響している事を示している。この結果は乳歯の生理的歯根吸収の発生機序解明のみならず、永久歯の病的歯根吸収発生のメカニズム解明の一助になり、今後、小児歯科および歯科矯正科の臨床における多くの課題の解決に寄与する可能性を示唆している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Bovine dentine organic matrix down-regulates osteoclast activity2009

    • 著者名/発表者名
      W.Sriarj, K.Aoki, K.Ohya, Y.Takagi, H.Shimokawa
    • 雑誌名

      J.Bone Mineral and Metabolism 27

      ページ: 315-323

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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