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2009 年度 実績報告書

口腔バイオフィルムにおけるミュータンスレンサ球菌のシグナル伝達システムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 20592399
研究機関大阪大学

研究代表者

仲野 道代  大阪大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (30359848)

キーワードミュータンスレンサ球菌 / シグナル伝達システム / 分子生物学 / 遺伝子解析
研究概要

Streptococcus mutansを中心とする口腔バイオフィルム形成に関連する遺伝子はこれまでに多くの報告がなされている。S.mutansのバイオフィルム形成におけるシグナル伝達システムは、主としてcomC遺伝子が重要な働きを示す2成分調節因子が関連していると考えられ、これまでに様々な報告がされている。しかしながら、S.mutansにはもう一つの別のシグナル伝達システムが存在するといわれている。S.mutansは、口腔内において、低pHに伴う水素イオン、抗生物質の侵入、および他の菌の侵入などの過酷な環境の変化の中で生存しバイオフィルムを形成し続ける。S.mutansはこれらの環境の変化に適応するためのタンパクを発現することにより、環境に順応し生育していくシステムを持っている。このシステムは環境の変化をシグナルとし、レセプターがシグナルを感知するとそれに適応するための必要なタンパクの発現が開始するというものである。このシステムの中では細胞膜上に存在するタンパクが重要な働きをしていると考えられている。ATP結合タンパクは膜上に存在し、膜輸送の役割を果たすといわれている。そこでこれらのATP結合タンパクがシステムの中でどのように機能しているかを調べた。まずはじめに、すでに報告されているS.mutansのゲノム配列からATP結合タンパクを抽出し、それらのタンパクの欠失変異株を作製した。これらの菌を用いて、抗生物質感受性を調べたところ親株と比較して明らかに変化していた。またこれらの遺伝子の発現は、致死量以下の抗生物質の存在下で顕著に上昇していた。さらに膜透過性の変化を調べたところ、親株と比較して欠失変異株は明らかに低下していた。以上のことより、これらATP結合タンパクは,膜上に存在し外来物質の輸送に大きく関与していることが示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Contribution of cell surface protein antigen c of Streptococcus mutans to platelet aggregation2009

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto-Nakano M, Tsuji M, Inagaki S, Fujita K, Nagayama K, Nomura R, Ooshima T.
    • 雑誌名

      Oral Microbiology and Immunology 24

      ページ: 427-430

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effects of recombinase A deficiency on biofilm formation by Streptococcus mutans2009

    • 著者名/発表者名
      Inagaki S, Matsumoto-Nakano M, Fujita K, Nagayama K, Funao J, Ooshima T.
    • 雑誌名

      Oral Microbiology and Immunology 24

      ページ: 104-108

    • 査読あり
  • [学会発表] Functional analysis of ATP transporter proteins associated with antibiotic resistance in Streptococcus mutans2009

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto-Nakano M, Nagayama K, Inagaki S, Fujita K, Takashima Y, Ooshima T.
    • 学会等名
      22nd Meeting of International Association of Pediatric Dentistry
    • 発表場所
      Munich, Germany
    • 年月日
      2009-06-17

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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