研究概要 |
本研究では、骨芽細胞・歯根膜線維芽細胞のアポトーシスにおけるペリオスチンの果たす役割とそのシグナル伝達系について明らかにし、歯周組織リモデリングのメカニズムをより明確にすることを目的としていました。その中で,今年度は骨芽細胞・歯根膜線維芽細胞の増殖・アポトーシスにおけるペリオスチンの役割について,増殖や血清欠乏によるアポトーシス誘導系において、骨芽細胞(MC3T3-E1細胞株) 、マウス及びヒト由来歯根膜線維芽細胞を用いてリコンビナントペリオスチン蛋白の影響を検討することを目的としておりました。 まず,今回の実験では,骨芽細胞のアポトーシスにおけるペリオスチンの役割を検討するために,MC3T3-E1細胞を用い新serum starvationによるアポトーシス誘導実験系において、リコンビナントペリオスチン蛋白の添加による影響をMTTアッセイにて検討しました。その結果,serum starvatioで下ではコントロールに対して生細胞数が25%まで減少したが,positive controlとして使用したIGF-Iとリコンビナントペリオスチンを添加した群では同程度に増加しており,ペリオスチンが細胞のアポトーシス抑制に効果があることが示唆されました。 また,同様のMC3T3-E1細胞を用い新serum starvationによるアポトーシス誘導実験系において、細胞接着機構を介した抗アポトーシス関連する蛋白であるFAKの発現量をWeatern blot法にて検討したところ,リコンビナントペリオスチン蛋白の添加群において,serum starvation状態と比較して,約4倍まで増加しており,ペリオスチンが細胞の抗アポトーシスに影響を及ぼすことが示唆されました。 さらに,同様の実験系で,ヒト由来歯根膜線維芽細胞を用いてリコンビナントペリオスチン蛋白による影響を検討しております。
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