研究分担者 |
宮脇 正一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80295807)
乾 明夫 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80168418)
永田 順子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (50264429)
福永 智広 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70362994)
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研究概要 |
ブラキシズムは過去一世紀以上にわたり注目されてきたが,現在でも根本治療はもとよりその原因すら解明されていない.本研究の目的は,申請者らがヒトを用いて「胃食道酸逆流による咽頭・食道の酸刺激によってブラキシズムが惹起され,その結果唾液が分泌され,これを嚥下することにより食道内の胃酸が洗い流される」と報告した先進的な知見について動物実験で検証し,ブラキシズムの発現メカニズムを解明するものである. まずラット食道へ化学物質刺激を直接行う必要がある,そこでラット鼻腔から食道下部括約部までカテーテル(PE-10)を挿入し,カテーテルを通じてさまざまな化学刺激物質を注入することとした.食道下部括約部はカテーテルに硫酸バリウムを注入した後,レントゲン撮影を行うことで同定した.さらに食道下部括約部に同定したカテーテルが,食餌などの日常活動によってずれないよう,鼻部カテーテルを歯科用レジンで固定した.同ラットに対し,咀嚼筋筋活動をモニタリングするための電極を咬筋に設置した.これらは,「平成20年度鹿児島大学大学院医歯学総合研究科口腔先端科学教育研究センター発表会」で報告した. 今後は,これらのラットを用いて1週間連続で食道へ酸刺激やペプシン等の消化酵素による化学物質刺激を与え、咬筋のEMG活動を記録する。EMG活動の記録と同時に、ビデオカメラを用いた顎運動の記録とオーディオモニターによる咬筋活動音を記録し、ブラキシズムを同定する予定である。 食道内への化学物質刺激でブラキシズムが誘発されることが明らかになれば、申請者らが提唱したブラキシズムの発現メカニズムに関する新しい知見が裏付けされ、新たなブラキシズムの根本療法の確立にっながる。
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