研究課題
ブラキシズムは過去一世紀以上にわたり注目されてきたが、現在でも根本治療はもとよりその原因すら解明されていない。本研究の目的は、申請者らがヒトを用いて「胃食道逆流による咽頭・食道の酸刺激によってブラキシズムが惹起され、その結果唾液が分泌され、これを嚥下することにより食道内の胃酸が洗い流される」と報告した先進的な知見について動物実験で検証し、ブラキシズムの発現メカニズムを解明するものである。ラット食道へ化学物質刺激を直接行う必要があったため、ラット鼻腔から食道下部括約部ヘカテーテル(PE-10)を挿入した。さらに食道下部括約部に同定したカテーテルが、食餌などの日常活動によってずれないよう、鼻部カテーテルを結紮して固定した。同ラットに咀嚼筋筋活動をモニタリングするための電極を筋咬に設置し、食道下部へ各種の化学物質による刺激を与え、咬筋筋活動を記録した。これら結果は「第5回九州矯正歯科学会学術大会」で報告した。今後は、これらのラットを用いて1週間連続で食道へ酸刺激やペプシン等の消化酵素による化学物質刺激を与え、咬筋のEMG活動を記録する。EMG活動の記録と同時に、ビデオカメラを用いた顎運動の記録とオーディオモニターによる咬筋活動音を記録し、ブラキシズム様運動を同定する。コントロール群と各刺激群におけるブラキシズム様運動を比較検討後、統計解析を行い論文を投稿する予定である。食道内への化学物質刺激でブラキシズムが誘発されることが明らかになれば、申請者らが提唱したブラキシズムの発現メカニズムに関する新しい知見が裏付けされ、新たなブラキシズムの根本療法の確立につながる。
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