研究課題/領域番号 |
20592408
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
福永 智広 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70362994)
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研究分担者 |
前田 綾 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (10457666)
山本 芳丈 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (50380465)
宮脇 正一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80295807)
飯野 祥一朗 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (10295256)
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キーワード | マウス下顎頭軟骨 / Ten-m / odz3 / 細胞分化 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
顎顔面骨格の一部である下顎頭軟骨は頭蓋骨とともに顎関節を構成し、咀嚼などの複雑な運動に適応しているだけでなく、下顎骨の成長にも寄与しており、長管骨の関節軟骨と成長板軟骨の両方の機能をもつ特徴的な組織である。構造的に四肢の関節軟骨や成長板軟骨が薄い軟骨膜におおわれているのに対し、下顎頭軟骨は間葉系組織でおおわれており、胎生および出生後の下顎骨の成長はこの下顎頭軟骨の表層に存在する未分化な間葉系細胞が軟骨細胞に分化後、内軟骨性骨化が起こることによると考えられている。一方、Ten-m/Odz3遺伝子は、ショウジョウバエの体節形成遺伝子の中のペアルール遺伝子として同定され、ヒトからショウジョウバエまで様々な種で発現が認められており、発生時期における形態形成への関与が考えられている。本研究は下顎頭軟骨の形成、成長、機能維持におけるTen-m/Odz3の役割を検討することを目的としている。本年度は、マウスを用いて、新生仔期と成長期の下顎頭軟骨、大腿骨関節軟骨、大腿骨成長板軟骨におけるTen-m/Odz3の発現をin situハイブリダイゼーション法を用いて観察した。生後1日齢、1週齢、3週齢ICRマウスを麻酔下にてパラホルムアルデヒドによる灌流固定を行い、下顎頭と大腿骨を摘出した。厚さ7μmの薄切切片を作成し、軟骨細胞を層毎に区分するため、ヘマトキシリン-エオジン染色、トルイジンブルー染色、I型、II型、X型コラーゲン遺伝子のin situハイブリダイゼーションを行い、Te-m/Odz3遺伝子の発現パターンをin situハイブリダイゼーションを用いて検索した。その結果、1日、1週齢マウス下顎頭において、Ten-m/Odz3遺伝子はI型コラーゲンが発現する線維層、およびII型コラーゲンが発現する軟骨層で認められたが、3週齢では、線維層における発現が減弱した。大腿骨でも同様であった。
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