研究概要 |
成人における続発性ステロイド性骨粗鬆症の治療および管理には、破骨細胞をターゲットとしたビスホスホネート(BP)が第一選択薬として用いられている。小児にBPを長期投与すると成長抑制が報告されており、BP投与の適応症は重篤な骨形成不全症などに限られている。成長期の小児においては、骨成長を抑制せず、かつリバーシブルな骨吸収抑制剤の開発が望まれている。即ち本研究は、破骨細胞による骨吸収の分子機構を明らかにし、将来有望な小児続発性ステロイド性骨粗鬆症顎骨及び他の骨組織の治療へ展開できる可能性を探索することを目指す。 平成20年度は、成長期ステロイド性骨粗鬆症モデルラットに対してBP(リセドロネート)を投与し,脛骨と下顎骨のpQCTによる骨構造の解析、非脱灰標本による組織形態計測を行い,リセドロネートが脛骨、下顎骨に及ぼす影響について比較検討を行った.その結果,リセドロネートは、皮質骨の骨形成を促進することによって下顎骨の成長遅延を回復させたが,脛骨の骨幹部では.骨形成を抑制したため,成長遅延を回復できなかった.両部位ともに骨量、骨強度低下は回復したことから,リセドロネートは成長期ステロイド性骨粗鬆症に対して有効であることが明らかになった。
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