研究概要 |
これまで我々は、成長期ラットにステロイド製剤を投与すると顎骨や大腿骨、脛骨の成長を抑制また骨量、骨強度および骨質が低下することを画像解析装置および末梢骨塩定量専用CT装置(pQCT)、3DマイクロCTを用いて明らかにしてきた。成人における続発性ステロイド性骨粗鬆症の治療および管理には、破骨細胞をターゲットとしたビスボスホネート(BP)が第一選択薬として用いられている。しかし、BPの長期投与による骨質の低下や、特に近年報告されている顎骨壊死などの副作用が問題視されている。しかしながら,小児へのBP投与の骨への影響については,報告が少ない。特に成長期顎骨への報告は,数例のみである。 本研究では、新世代BPであるリセドロネートの顎骨および脛骨への影響を成長期ステロイド性骨粗鬆症モデルラットを使用し,検索した。検索は、pQCTによる両部位の骨構造の解析、非脱灰標本による組織形態計測を行い比較検討を行った。その結果,リセドロネートは、皮質骨の骨形成を促進することによって下後骨の成長遅延を回復させたが,脛骨の骨幹部では骨形成を抑制したため、成長遅延を回復できなかった。両部位ともに骨量、骨強度低下は回復したところから,リセドロネートは,成長期ステロイド性骨粗鬆鵜匠に対して有効であることが死させれた。
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