長期にわたり喪失の喪失状態続くことで中枢にどのような影響が表れるかを明らかにするため老化促進モデルマウスを用いて実験を行った。 その結果1、血中コルチコステロン濃度は、成年期、老年期のマウスではコントロール群に比べ、抜歯群の方が有意に上昇していた。 2、Morris水迷路テストにより、成年期、老年期のマウスではコントロール群に比べ、抜歯群の方が記憶能が有意に劣っていた。 3、Nissl染色による海馬神経細胞数の測定より、成年期、老年期のマウスではコントロール群に比べ抜歯群の方が有意に少なかった。 4、GFAP陽性細胞数の測定より、成年期、老年期のマウスのCA3領域ではGFAP陽性細胞数がコントロール群に比べ抜歯群の方が有意に増加していた。 5、BrdU陽性細胞数の測定により、老年期のマウスのCA1とDG領域ではBrdU陽性細胞数がコントロール群に比べ抜歯群の方が有意に減少していた。 6、シナプトフィジンのタンパク量の測定により、シナプトフィジンの発現量はコントロール群に比べて早期喪失老齢マウスで有意に減少していた。 これらの結果より歯の早期喪失は慢性ストレスとして働き、中枢特に海馬の神経細胞が減少するとともに、海馬への情報入力も減少し、空間認知能に影響を及ぼすことが明らかになった。
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