これまで行われてきた咬合接触関係の検討は、上下顎咬合面においてみられる垂直的方向について行われた。しかし上下顎歯は周囲を歯根膜で覆われていることや咬合平面に対して歯軸傾斜が存在することから、咬合時には3次元的に歯の移動がみられ歯間隣接面間に側方圧が発現している。本研究は咬合時に発生する歯冠部隣接面側方圧について検討を行っていくものである。当初予定した平成20年度内に対照群となる成人群の咬合時に側方圧について測定し、さらに21年度においては小児へと対象を進めていく予定としていたが、隣接面間の空隙が今までの文献的検索によるものよりも狭く、当初予定していた市販のセンサでは隣接面への挿入が困難であったため、カスタムメイド(オクトセンサ、感圧部直径3.0mm、厚さ30μm、感度規格160kPa±50%以内、分布規格±60%胃以内)のものに変更した。20年度に使用するセンサの再現性の確認を行った結果、良好な再現性を得ている。その他、必要な研究用模型の作製、歯軸傾斜の測定は順調に進行中であり、現在、対照群となる成人被験者に対して測定を行っている(平成22年3月31日現在)。また現在、センサの再現性に関する内容をまとめている。また、歯軸傾斜に関する内容やそれと関連した早期接触および咬合時に発生する圧の発生について検討中である。研究最終年度の本年は、各内容についての学会発表、論文作成および小児への計測と結果、結果の公表へと進めていく予定である。
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