研究概要 |
1 歯周組織における骨髄由来細胞の関与について GFP標識骨髄置換マウスモデルを作製、組織学的に検討した結果、歯周組織において骨髄細胞はSDF1を発現する血管内皮細胞周辺に存在することが明らかになった。また、in vitroのメカニズム解析により骨髄細胞はそのレセプターCXCR4を発現し、SDF1に対し遊走することを明らかにした。また、歯周組織欠損作製により骨髄細胞のCXCR4発現に変化がないことを確認した。また、マウス血管内皮細胞に実験的に低酸素を誘導するとSDF1発現がmRNA,タンパクレベルで上昇することを明らかにした。以上の結果より歯周組織欠損モデルにおける組織の低酸素は、SDF1を介した骨髄細胞の歯周組織への遊走に関与することを示した。 2 細胞転写技術の骨・再生への応用 新たに確立した短時間シート状骨芽細胞の形成方法を用いてマウス頭蓋骨骨欠損に応用することで、早期に骨欠損再生が起こることを明らかにし、国際誌に発表した。 3 セメント質由来タンパク(CEMP1)の発現・機能解析 我々は、歯根膜幹細胞にCEMP1強制発現させることにより、骨芽細胞ならびに歯根膜細胞分化を抑制し、セメント芽細胞分化を促進することを明らかにし、国際誌に発表した。
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