研究課題
Wntシグナルは、細胞表面にあるWntのレセプターであるLRP5/6とfrizzled receptorにWntが結合することで伝えられる。Wntの結合により細胞内のbeta-cateninが増加し、増加したbeta-cateninは核内へ移動してTCF/LEFと結合してOPGをはじめとする骨形成に関わる遺伝子の発現を増加させる。本研究では研究期間内に歯周炎が動脈硬化巣におけるWntシグナルとFOXOシグナルのバランスに与える影響について検討することを目的として、外科的に切除された動脈硬化巣におけるWntとFOXOシグナルに関連する分子の発現と歯周病原菌の関係を明らかにする。さらにWntシグナルを増強し、OPGがRANKLよりも優位な状態を作るよう培養細胞を用いて薬物の効果を検討し、新規治療の開発を試みる。本年度は歯周炎組織における歯周病原菌の存在とFOXOシグナル(FOXO)の発現を免疫組織化学とPCR法で検討した。その結果、歯周組織ではFOXOの発現が上皮細胞で認められた。上皮細胞株KB細胞をP.gingivalis LPSで刺激したところ、濃度依存的にFOXOの遺伝子発現が増強した。これらのことから歯周炎においては歯周病原細菌によって上皮組織のFOXO発現が上昇していることが示唆された。
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