研究課題/領域番号 |
20592432
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
金子 高士 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10284697)
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研究分担者 |
原 宜興 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60159100)
吉村 篤利 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (70253680)
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キーワード | 自然免疫 / ペプチドグリカン / 歯周病原細菌 / Porphylomonas gingivalis / Aggregatibacter actinomycetemcomitans / Fusobacterium nucleatum / NOD1 / NOD2 |
研究概要 |
歯周病においてPorphyromonas gingivalis, Aggregatibacter actinomycetemcomitansやFusobacterium nucleatumなどの数種類のグラム陰性細菌が歯肉上皮や線維芽細胞の細胞内に侵入増殖することが報告されており、これらの特性が歯周病の病態形成と関連すると考えられている。Nucleotide-binding oligomerization domain (NOD)1とNOD2は細菌細胞壁のペプチドグリカン(PGN)の構成成分を認識することにより、細胞内に侵入した細菌を検知している。しかしながらNODがこれらの歯周病原性細菌を認識しうるかどうかは明らかでない。本実験計画では細胞内侵入歯周病原性細菌の認識そして排除機構におけるNODファミリーの役割について研究を行い、PGNを標的とする歯周治療への応用の可能性について追求することを目的とした。本計画の初年度において、我々はまずHuman Embryo Kidney (HEK)細胞にNOD1およびNOD2を発現させた細胞を作製した。これらの細胞を細菌菌体および精製したPGNで刺激し、NF-kBの活性化を測定することでNODによる細胞侵入細菌の検知能を調べた。その結果、NOD1,NOD2ともに歯周病原細菌あるいはそのPGNを認識することができたが、P.gingivalisのNOD1あるいはNOD2活性化能は他の細菌と比較して約1/10~1/100であることがわかった。このようなP.gingivalisのユニークな特性は宿主自然免疫システムからの逃避機構を表しているかもしれない。
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