昨年度より我々は、歯周基本治療時に内服抗菌薬を併用し、全顎を1回でスケーリング・ルートプレーニング(以下SRPと略す)を行うFM-SRP法と、内服抗菌薬を併用し、数回に分けてSRPを行うPM-SRP法、さらに通常に実施される全顎を6分割に分けてSRPを実施するQ-SRP法の臨床的・細菌学的検索を続けて行ってきた。 その結果、内服抗菌薬薬効中に行ったFM-SRP法および、PM-SRP法では臨床的・細菌学的検索結果に有意差は認められず、施術による有害事象も認められなかった。またFM-SRP法およびPM-SRP法は、Q-SRP法に比較して臨床的・細菌学的検索結果ともに有意な改善が認められた。以上の結果より、本研究で実施したFM-SRP法とPM-SRP法は同等の有用性が認められ、かつ、併発有害事象の少ない優れた治療法であることが確認でき、有益な新たな歯周基本治療が確立されたと思われる。 当該年度では、本研究成果を集積、分析し、成果発表ならびに成果報告論文を作成することに重点を置き、本年度中に論文の寄稿ならびに掲載を終了した。
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